「記録映像」は用途の見極めが大事 Vol.1
映画のように自分ですべてを作り上げる作品のような撮影でない限り、
撮影では基本的な進行を把握していても実際には何が起きるかわからない上に、同じ環境、同じ条件が揃うことは現実的ではなく、
大抵の場合撮り直しが効きません。
近年、配信という案件も増えているので従来の記録映像やテレビのようなスイッチングなど、しっかり写すという映像制作も見直されています。
どのように撮影をしていけば良いか。それは物語になるように、飽きずに見ていられる映像として成立させることを目標にしましょう。
撮影する映像を掘り下げ、イベントなどの進行を妨げずに写しっぱなしではなく、必要な部分を取り切るということができるように一緒に考えていきましょう!
まずは、完成品の目的が何か?を決める必要があります。
その映像を求める人が、「何を残したいのか?」「誰にどう見せたいのか?」ということです。
以前にもお伝えした通り、映像はゴールから遡って考えることが重要です。
※前回の記事を読む:
これを決めておくことで、自分が迷った時に判断ができます。
今は様々な媒体や機材も高性能で、ただの「記録」としての映像ではなく、
「美しい記憶」として映像を残すという需要が高まっています。
つまり、ただ写して記録に残すだけでなく、
撮影方法と編集で演出をすることでさらに素晴らしいものであったという記憶に変えることができます。
わかりやすいのが、ブライダル撮影です。
ここ10年ほどで、ウェディングムービーを中心に美しく残すという流れになっています。
今では当たり前となっているかもしれませんが、
音を使用してストーリー性を持たせ、ダイジェスト映像のようなものが主流になっています。
ダンスの発表会などは別ですが、長時間のイベントを撮影してそのまま残すことは今や誰も見てくれません。
映像を通じて新しい層に存在を知らせ、届けていくには、現代は短く、かっこよく、端的にイメージを伝えることが重要とされています。
ありのままを撮影して納める
<記録映像>
撮った素材で作品を作る
<映像作品>
配信の場合、記録映像のように思われますが、実際はカット割や配信知識が必要な上、
生配信となるとスイッチングという生編集の作業から視聴者が何を見たいのかを瞬時に見極めることが重要となります。
ここでも事前に決めておくということが大切になります。
また、現在ではスマホやSNSが普及し、動画というものが消耗品のように流れていきます。
そのためBGMや音声がなくても伝わらなければいけない。
つまり、視覚情報で伝えることがどんどん重要とされていきます。
少し前は3~5分くらいの尺で作られていた映像が主流でしたが、
WEB動画の時代が来たことで、さらに短く数秒で本質的に伝えるという方向に変わってきました。
時代の流れから今では「何が目的か」をしっかり捉え、
事前に映像の用途を見極めて準備をすることが映像制作を上達させるポイントになるでしょう。